季語の絵日記

日々移ろう季節の出来事をつづりました。

秋の虫と電気スタンド

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今年は秋の虫がたくさん鳴いています。それは私にとってであって、実際には例年通りなのかもしれません。
秋の情緒を演出する筆頭役を担う夜鳴きの虫たちですが、これまでただひとくくりに秋の虫とまとめてしまっていたのを、一体どんな虫が鳴いているのか気になり出して草はらに耳を傾ければ、まあたくさんの虫の声。

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その声を何とか文字に起こそうと、苦心してカタカナにあてはめてみると、

「ビーーーーーーー」
「チッチッチッチッチッ」
「ギリッリッリッリッリッ」
「リリリリリリリリリ」
「ヒョロロロロロロロロ」
「ジジジジジジジジジ」
「チッチリ チッチリ」
「ヴィッヴィッヴィッ」
「ブリューブリュー」
「キュキュキュキュキュ」

図鑑で紹介される鳴き声とはおよそ違っているのでしょうが、いったんカタカナにしてみると、それから後は確かにそんな風に聞こえるのですから面白い。
その他にどうひねりだそうにも文字にならなかった声が3、4あったでしょうか。いずれももの哀しい秋の音色です。

このうち チッチリ チッチリと鳴くのは毎年夏の終わりになるとわが家の壁にとまって鳴く虫です。
姿は見たことがありません。ただ夏の終わりに鳴く虫と呼んでいる虫です。

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この チッチリ チッチリと高く綺麗な声が聞こえると、部屋の明かりを消して、電気スタンドの光で虫の音を聞きつつ随筆など読むのがいいのです。毎年これがその年最初の私の秋の楽しみです。