季語の絵日記

日々移ろう季節の出来事をつづりました。

龍穴神社と黒いヘビ


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室生寺参詣を終えて帰りのバスはまだまだ来ない。
室生川に沿って上流に歩けば、龍穴神社があります。

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りゅうけつ神社。このすごい名前に引かれてやって来ましたが、私はもっぱらお寺参り、神社への関心はどうも薄いのです。奥へ進めば「龍穴」なる岩の裂け目もあるらしいのですが、時間もそうありません、とんぼ帰りに帰りかけますと、鳥居の上からハラリと落ちるものが。

見ると三センチほどのヒメカマキリのメス。その上にさらに小さなオスがのっかっています。ヒメカマキリはちょっとめずらしい。私が目にするのはこれが二度目。
カマキリ(蟷螂)は秋の季語で、秋になると道端に出てきてよく目にするようになります。そういえば、今朝は家の近くで人に踏まれてしまったハラビロカマキリを見ましたし、この後オオカマキリが道路に出てきてひかれそうなのを、脇の草はらに逃がしてやったのです。カマキリを助けるのは私の秋の風物詩であります。

さて龍穴神社の帰り道、石垣の草やぶでガサガサとなりますので、何かと思って見ると、黒いヘビ。これはシマヘビの黒化型でカラスヘビと呼ばれますが、ヤマカガシ・マムシといった毒蛇の黒化型もまれにいるそうなのでうかつに近づいてはいけません。
カラスヘビはするするとやぶの中へ入って行きました。

帰り道「俳句歳時記」を見ていると、秋の季語に「蛇穴に入る」。

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穴に入るとはつまり冬眠することで、ヘビが冬眠するのはもう少し秋の深まったころですが、古来ヘビは龍と同一視されるもの、「龍穴神社参拝の帰りに黒ヘビの穴に入るを見る」ことを書き留めるのです。