季語の絵日記

日々移ろう季節の出来事をつづりました。

池のほとりでスケッチする秋


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秋。橿原神宮の池のほとりのベンチにこしかけ、水面や木立、畝傍山など眺めれば、ベレー帽をかぶって写生でもしたくなるのは皆同じのようで、キャンバスや画帳を前にスケッチする姿が点点と見られる。これがまた秋の心をくすぐるのであります。

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今秋は始まったばかり。草木は青々としていますし、カメはゆうゆうと甲羅干し。カモもまだ少ない。ただ風と影の様子が、ようやく秋にさしかかったことを知らせたところです。
こうして座って木立を映した池の水面がきらきら光りながら、ゆっくりとさざめくのを見ていると、どこまでも穏やかな気分になります。
秋は寂しい季節ですが、橿原神宮の秋はのどかで美しい。もう少し近所に住んでいれば、秋の間中週末をここで過ごしたいものです。

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夕日が差せば、水面の光も空気の色もあまりに美しくて、絵よりも美しい絵のような景色、私ならもうあきらめて筆を置いてしまうでしょうが、キャンバスを立てた人は画家なのか、少なくとも本格的に絵を学んだ人なのでしょう、いつまでもせっせと筆を動かして、この美しい風景を写し取っているのでした。